分電盤の最初にある電力会社のブレーカー、人によって呼び方が異なるので、自分から話す時にいつも迷っていました。 気になったので正式な名称を調べてみました。 調査の結果、電力会社ごとに呼び方が異なることが分かったので、次の表にまとめます。
電力会社 | 名称 |
---|---|
北海道電力 | 契約用安全ブレーカー |
東北電力 | アンペアブレーカー |
東京電力 | アンペアブレーカー |
北陸電力 | 契約ブレーカー |
中部電力 | サービスブレーカー |
関西電力 | なし |
中国電力 | なし |
四国電力 | なし |
九州電力 | リミッター(電流制限器) |
沖縄電力 | なし |
電流制限器
呼び方は電力会社によって異なりますが、電気用品安全法ではこれらをまとめて「電流制限器」の「アンペア制用電流制限器」と区分されます。
アンペア制用電流制限器と配線用遮断器
アンペア制用電流制限器は「電流制限器」の区分、配線用遮断器は「配線器具」の区分と別になっており、それぞれ動作特性も別に規定されています。
次の表は、「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈」にある「別表第四 配線器具」と「別表第五 電流制限器」からまとめたものです。
配線器具 - 開閉器等
定格電流の2倍を流した時に動作時間内
定格電流 | 動作時間 |
---|---|
〜30A | 2分以内 |
31A〜50A | 4分以内 |
51〜 | 6分以内 |
定格電流の1.25倍を流した時に動作時間内
定格電流 | 動作時間 |
---|---|
〜30A | 60分以内 |
31A〜50A | 60分以内 |
51〜 | 120分以内 |
電流制限器 - アンペア制用電流制限器
定格電流の2倍を流した時に動作時間内
定格電流 | 動作時間 |
---|---|
〜30A | 2分以内 |
40A | 4分以内 |
50A | 4分以内 |
60A | 6分以内 |
不動作電流
定格電流 | 最大不動作電流 | 30秒不動作電流※1 | 1秒不動作電流※2 |
---|---|---|---|
5A | 5.75A | 7.5A | 22A |
10A | 11.5A | 15A | 40A |
15A ※3 | 17.2A | 22.5A | 55A |
20A | 22A | 28A | 70A |
30A | 33A | 39A | 100A |
40A | 44A | 52A | 120A |
50A | 54A | 64A | 150A |
60A | 64A | 76A | 180A |
※1 30秒不動作電流が流れるとき、60分以内に自動的に動作
※2 1秒不動作電流が流れるとき、次の表に書かれた時間で動作
※3 「別表第五 電流制限器」では10Aと表記
定格電流 | 動作時間 |
---|---|
〜30A | 10秒 |
40A | 20秒 |
50A | 20秒 |
60A | 30秒 |
電流制限器がない場合の最初のブレーカー名称
電流制限器がない場合の最初のブレーカー名称は主に次の名称があります。
- 主開閉器
- 主幹ブレーカー
- メインブレーカー
調べた限りでは正式な名称として定義されているものは見つかりませんでした。
一方で引込口装置という名称が内線規定で定められています。
引込口装置は屋外から引き込まれた電線が最初に接続される開閉器を指し、分電盤が複数ある規模の施設では最初の1台にしか適用されない名称のようです。
まとめ
電流制限器やアンペア制用電流制限器と総称がありますが、私自身は現場で聞いたことがありませんでした。
電力会社ごとの呼び方を使うほうが現場では伝わりやすいと思います。
工事の出張で普段と違う地域に行くときは名称を確認しておくのがおすすめです。